一般社団法人 熊本県放射線技師会

一般の方へ

超音波検査(エコー検査)とは

人の耳には聞こえないくらい高い周波数の音(超音波)を体の表面から当て、体内の臓器や組織の境目などから反射してくる音を画像として表示する検査です。各臓器の形態や構造の変化などを見ることができます。具体的には、臓器の形態的な異常や腫瘍、血流の状態などが分かります。超音波は体に害を与えない(放射線ではないため被ばくはありません)ので、繰り返し検査を受けても安全で手軽な検査です。

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<主な検査項目>

・腹部超音波検査:肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓、腸管など

・乳腺超音波検査:乳房

・頸動脈超音波検査:頸部の動脈

・心臓超音波検査:心臓

・その他の超音波検査:甲状腺、リンパ節、唾液腺、下肢血管など

 

 

安心して検査を受けていただくために

腹部の検査では食事制限、内容によって排尿制限がある場合もあります。検査を受ける施設にてご確認ください。他の部位の検査は食事制限や排尿制限はありません。

実際の検査は通常超音波検査室で行いますが、病棟や診察室などで検査することもあります。検査中はベッド上で仰向けになり、観察しやすくするためのゼリーやクリームを皮膚に塗ります。場合によっては横向きや座った姿勢など体勢を変えて検査することもあります。検査に際して息止めのお願いや病状をうかがうこともありますが、ご協力お願いいたします。


PET(ペット)検査とは

Positron(陽電子) Emission(放出) Tomography(断層像)の略で、放射線を出す薬剤(放射性薬剤)を用いる核医学検査の一つです。放射性薬剤を注射し、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて画像化します。PETの放射性薬剤は主にがん細胞に多く集まるので、体内のがん細胞を発見する手がかりとなります。

PET-CTとは、PETとCTの画像を同時に撮影できる機器で、一度の撮影でほぼ全身のPET画像とCT画像を得ることができます。PET(病気の活動状態)とCT(病気の形や大きさ、位置)の画像を組み合わせることでより精度の高い診断が可能となります。

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検査の流れ

・更衣・問診 ―― 身長・体重・血糖値の測定や問診を行います

・注射 ――――― 放射性薬剤を腕の静脈に注射します

・安静 ――――― 1時間程度身体を動かさず安静にして頂きます

・撮影 ――――― 台に仰向けになり撮影を行います

・待機 ――――― 再び安静にして頂きます

・(撮影)―――― 必要に応じて追加撮影を行う場合があります

・終了

 

検査を受ける際の注意点

・検査日の数日前から激しい運動を控えてください

検査前5~6時間は水以外のものは口にしないでください

・糖尿病の方など空腹時の血糖値が150~200mg/dlを超える方、妊娠中もしくは妊娠の

可能性のある方、閉所恐怖症の方は検査できない場合がありますので事前にご相談くだ

さい

[CT検査]の注意点にもお気を付けください

 

<更衣について>

・撮影部位にボタンやホックなどの金属があると画像に影響を与えることがありますので、

必要に応じて更衣をして頂きます。

 

<検査中の注意>

・検査時間は通常2時間~4時間程度です

・撮影は1回が30分程度です、体を動かさないようにしてください

・必要に応じて体を固定させて頂く場合があります

 

<造影検査を受ける方へ>

CT撮影の際に造影検査を行う場合があります。

詳しくは[CT検査]をご覧ください。

 

検査を受けた後に

検査に用いた放射性薬剤は体内からなくなるまで、まる1日程度かかります。そのため検査から1日間は以下の注意が必要です。

・妊娠されている方や乳幼児への接触を控えてください

・薬剤は尿として排泄されますので、トイレの後はよく手を洗うよう心掛けてください。

その他、食事や運動などは普段の生活を送って頂いて構いません。


血管造影とは

アンギオグラフィーと呼ばれている検査です。一般的に太ももの付け根や腕や手首(目的によって使用する血管は様々)の動脈からカテーテルとよばれる細い管を入れて、カテーテルを目的部位まで進めていきます。そこから造影剤を注入しながらX線透視撮影を行うことで、血管の形態や血流の状態を調べることができる検査です。血管が狭くなっていないか、詰まっていないかを調べます。また腫瘍に対しての精密検査として、腫瘍に栄養を運んでいる血管はどれか、腫瘍に関連している血管はどれかなどを調べることもできる検査です。適応部位は、脳、心臓、胸部、腹部、骨盤部、上肢、下肢とほぼ全身を網羅しています。血管造影検査は動脈だけでなく、静脈の形態も調べることができます。通常は、局所麻酔で行われますので、患者さんは意識がある状態で検査を受けることができます。

アンギオグラフィーにおいて、病変に対して治療を行うことを、IVR(アイ・ブイ・アール)と言います。IVR「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」といい、日本語では「画像下治療」と訳します。前述のようにカテーテルを用いて行う治療ですので、外科手術のようにお腹や胸を切らずに、体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法です。そのため患者さんの体への負担が圧倒的に少ないという特徴を持っています。

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血管造影検査を受ける際の注意点

・検査時間は検査部位や内容によって異なります。担当医へお尋ね下さい。
・撮影部位によっては撮影時に、息を止めていただきます。撮影中は息止めと同時に身体を動かさないようにして下さい。
・造影剤を使用しますので撮影時、撮影部位が熱く感じることがあります。すぐにおさまりますので、身体を動かさないようにして下さい。
・造影剤を使用した検査ですので、以前、造影剤を使用して副作用のあった方、喘息のある方、甲状腺機能亢進症のある方は検査ができない場合があります。事前に担当医にご相談下さい。
・カテーテルを挿入する部位によって、検査後にベッド上安静が必要になります。用いるカテーテルの種類や部位によって安静時間は異なりますので、担当医にご確認下さい。

 


核医学(RI)検査とは

核医学(RI)検査とは、ごく微量の放射線(ガンマ線)を出す放射性医薬品というくすりを体内に投与し、そのくすりの動きを体の外から撮影し画像にする検査です。

他の検査と違い、病気の形や場所だけでなく臓器の血流や機能までみることが出来る、

とても大事な検査の一つです。

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・検査の流れ

検査は、目的の臓器や病気の種類により異なる放射性医薬品を用いるため、くすりの集まる時間が異なり検査時間や検査方法が異なります。

検査はほとんどが予約制で日時が決まっています。また検査によっては前処置(検査を受ける準備)が必要な検査もございますので主治医の指示に従って下さい。

検査は、まず患者さんに放射線医薬品を投与します。投与方法は、検査の内容により異なり静脈注射、経口投与、呼吸による吸入などがあります。多くの場合は、静脈注射で体内に投与します。

投与後すぐ検査を始める場合と、目的の臓器や病気にくすりが集まるまで(1~3時間)待ってから検査する場合とがあります。また、特定の検査では投与後1日後や2日後、3日後に検査する場合もございます。検査は、多くの場合専用のベットに寝てもらい20~30分横になっている間に終わります。患者さんにとって苦痛の少ない検査となっています。

 

※検査は、放射線医薬品を投与して時間をあけて検査する場合と、投与しながら検査をする場合とがあります。これは検査の種類によって異なります。

 

・注意事項

核医学(RI)検査は、検査の種類によって前処置(検査を受ける準備)が様々です。例えば、直前のご飯を食べないように(前食禁)や、検査前に水を飲んでもらったり、前日に下剤を飲んでもらったり、1週間ヨードが含まれる食べ物を食べないようにする(ヨード禁)などいろいろあります。また、服用中の薬の一時中止なども必要な時があります。検査を受ける際には主治医の指示に従って下さい。

 


放射線治療radiation therapyとは

放射線を用いて病気を治療する方法で、主にがん治療に使用します。

『放射線』は目に見えず、体にあたっても何も感じませんが、体の表面や奥にある病気を治すことができます。副作用が出にくいように毎日少しずつ放射線を照射します。

また、放射線治療は外科的な手術と異なり、体を切らないので患者さんへの肉体的負担が少なく、機能や形態の温存を可能にする治療法です。

 

放射線治療の方法

一般的に放射線治療には大きく分けて、体の外から放射線をあてる外部照射と、体の中から放射線をあてる内部照射という方法があります。

 

<外部照射>

一般的に放射線治療というと、ほとんどの場合は外部照射を指します。

通常、直線加速器(リニアック)と呼ばれる装置にて治療を行います。

リニアックの照射口には、図のように多分割絞り(MLC)と呼ばれる絞りがついており、複雑な形状の病変に対しても、より高精度な治療が可能となっています。

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<内部照射>

放射線が出る物質(放射性同位元素)を体の中に入れて治療を行います。体内にいれる方法として、直接患部に放射線を発生する針などを刺して治療する方法、器具用いて一時的に放射線の線源を通し、患部に照射する方法があります。

 

 

放射線治療の流れ(外部照射)

1. 診察

放射線科医師によって、患者様の全身状態および症状などを診察し、治療方法、治療を行うことでの効果、副作用などの説明を行います。

2. 放射線治療計画

放射線治療専用のCT装置を用いて、治療計画に用いる画像を撮影します。

所要時間は30分程度~1時間程度になります。

必要に応じて、体位保持のための固定具等を用い、体の固定を行う場合があります。

得られた画像データを基に、治療計画装置により計算・処理を行い、3次元的に治療計画を作成します。

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3. 治療位置確認・照射

治療計画のスケジュールに沿って毎回の照射を行います。

 

患者様は着替え等の準備をしていただき、治療台に寝ていただきます。

治療計画CT撮影時と同様の体位をとり、体の位置あわせを行います。

位置あわせ完了後に、確認の写真を撮り、治療位置の確認後、照射を行います。

 

 

*毎回の治療時の注意点

・基本的に治療部位を露出させていただきますので、着替え等の準備をしていただきます。

・照射中は体を動かさないように注意してください。治療中に体が動くことで、十分な治療ができないばかりでなく、正常部分に悪影響を及ぼす可能性があります。

・痛みなどが原因でじっとしていられない場合は、あらかじめスタッフにお申し出ください。

 

4. 経過観察

・治療期間中の全身状態および病状の変化など放射線科医師により診察を行います。

・治療開始後に体の症状で変わったことなどあれば、遠慮なくご相談ください。

・治療終了後も、治療部位によっては副作用が2、3ヶ月、長いものでは2年間ほど続く場合もあり、定期的な観察が必要になります。

 

放射線治療期間中の日常生活

放射線治療中は基本的には普段どおりの日常生活をおくっていただいてかまいません。

ただ、次のことに注意してください。

・休息を充分に取りましょう。

体が疲れやすくなることがあり、疲れを感じ始めたら、充分な休息や睡眠を取ってください。

・入浴時の注意

体を洗うときは治療部位を強くこすらず、優しく手入れをし、清潔を保ちましょう。

・バランスのとれた食事を。

食事は栄養のあるバランスのとれた食事にしましょう。

また治療部位によっては、飲み込みやすいものなど、色々と工夫をしながら食事を行い、治療期間中は普段以上カロリーや栄養素を摂取することが大事になります。

 

安心して放射線治療を受けていただくために

放射線治療は、日常生活上のケアや注意事項を患者様やご家族の方に実践していただくことで、より大きな効果が期待できます。そして治療中における肉体的・精神的な負担の軽減にもつながります。放射線治療について分からないこと、ご心配なこと、何かありましたら、なんなりとスタッフまでお申し付けください。


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